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豊郷町 ▲まちづくりインデックス

 
街道に垣間みる近江の歴史
 豊郷町の中山道を歩いていて気づくのは、
家並みはいかにも街道筋の庁(たたずまい)
なのに、昔の道にしては道幅が広い。これ
は拡幅したわけではなく、元々、不意の暴
漢を防ぐため、道の両側に盛り土があり、
近代になってその盛り土が均(なら)され
たから、その分、ひろくなったという。中
山道は要人の往来が多かった、ということ
だろうか…。
 その中山道沿いに四十九院(しじゅうく
いん)という地名がある。これは千樹寺と
同じく奈良時代に行基菩薩が創建した四十
九院の中の、四十九番目に建てられた寺が
この地にあったからついた名である。寺は
今は真宗に変わり、名も唯念寺になってい
るが、堂々たる姿からはその歴史がうかが
える。
 この街道を挟んで豊郷町には四つも中世
の城跡がある。城といっても砦のようなも
のだったろうが、それにしても、力に翻弄
された近江の運命を垣間見るような気がす
る。
  八幡神社一帯にあった那須城、天稚彦(あめわかひこ)神社辺りの高野瀬城、そして愛知
(えち)神社辺りの吉田城や常禅寺と白山神社を中心とする八町(はっちょう)城。領民の
ための善政をしいた城主もいた城である。
 四月、あちこちの春祭りを見ているうちに、昔、武士たちの権力争いに被害甚大の民では
あったが、意外としたたかに湧き上がる力で生き抜いていたのでは、という気がしてきた。
どこの祭りでも力強いエネルギーを感じたのだ。そしてこれが、近江商人の力でもあったの
だ、という気もしてきた。
 豊郷町には平成七年秋に「豊栄(ほうえい)のさと」という文化公園ができる予定だ。江
州音頭の扇踊りに使う「扇」の形をした美しい建物を中心に人々の憩いの空間ができる。建
物の中には図書室や福祉の施設、舞台つきのホールもある。十六ある集落がそれぞれに個性
ある集落を日ざして地域活動をしているという豊郷町。人口も微かだが増加…。「豊栄のさ
と」は若者たちもまきこんで、扇の要になっていくに違いない。
問合わせ
 豊郷町産業課  TEL 0749・35・2511
 
以上、滋賀銀行発行
 「湖[みずうみ]1994年夏 No.110号」
 「街物語」著:旅行ペンクラブ西本梛枝さん より転載
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