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豊郷町 ▲まちづくりインデックス

 
渡来人も住みついた豊かな地
 今春四月十七日、中山道の町・豊郷町(とよさとちょう)
はあっちもこっちも春まつりだった。
 四月、江州音頭の話を聞こう…と豊郷町へ。その折、阿
自岐(あじき)神社の祭りに行きあった。なんと大きな太
鼓!直径二メートルはありそうな、黒光りする立派な太鼓
が三基揃っていた。そばには船の櫓かと思うような平たい
大きなバチが何本も並んでいる。子どもたちが持ち上げよ
うとするが、上がらない。
「サァ、行くデェ」と屈強の男性がパチをとり上げ、腕を
グルーッと回して打ち出した。「ドォ〜ン」とお腹に響く
音。バチの全面が太鼓の皮にあたらないと、こんな音は出
ないという。パチが重いから四〜五打もすれば、腕がしび
れてしまう。男たちの力比べだ。

豊阿自岐神社の春まつりに担ぎ出された大太鼓

 井伊直弼(いいなおすけ)が絶賛したという阿自岐神社
の庭園は以前、雪の日に来た時、白に埋もれて音もなかっ
たのに、四月、輝くばかりの緑に囲まれ、風景は静から動
へ一転していた。
 因にここの集落は安食(あんじき)というのだが、古代、
百済(くだら)から渡来した阿直岐(あちき)氏が住みつ
いた所とされている。神社の庭園も阿直岐氏が、漢字を日
本に伝えた王仁(わに)氏を招いて造ったと言われている
から、いわば日本最古の庭園。この辺は古代の土器片など
も時々出るというし、豊かな郷の地の下に何が眠っている
のか…。想像しているとワクワクしてくる。
 思いがけない阿自岐神社の祭りだったが、この後に訪ね
た八幡神社も春日神社も白山神社も愛知(えち)神社も陽
気な春祭りの真最中。江州音頭は後日にして、この日は祭
りを楽しんだ。


豊かな緑に囲まれた日本最古の阿自岐神社庭園
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