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信楽といえば信楽焼が頭に浮かぶのだが、その起
源が紫香楽宮造営の時、というのは違うらしい。そ
の頃の窯は見付かっていないのである。宮造営の時
は須恵器であり、今のような信楽焼が登場したのは
鎌倉時代頃、生活に根付いたものとして誕生してい
る。
粗々しい肌。奔放な火の色。土の呼吸音さえ聞こ
えてきそうな焼物。それが信楽焼の印象だ。奔放で
いながら静かな力を奥に秘めているような信楽焼の
茶器を三十数年愛用していたが先の阪神大地震で壊
れてしまった。残念ではあったが、不思議なことに
「土に還ったのだ」と思えた。それはほんとうに不
思議な感情だった。銘あるものでも何でもなかった
が、三十数年使っても、土の感触が快く、お茶をの
む時にフッと土の生命が感じられるような茶器だっ
た。だから、壊れても生命の再生が思えたのかもし
れない。
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上:土の色、火の色がたくましい信楽焼
下:陶芸教室では作陶を楽しむ人も多い
(宗陶苑にて)
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