人の心を癒せるもの…
清らかな自然 |
|
「二百四十万」という数字に一瞬、目が点になった。
「スゴイ! やっぱりなァ…」と。「やっぱりな」
というのは納得型感嘆とでもいえばいいのか。
「二百四十万」とは一年間に志賀町を訪れる観光客
の数である。琵琶湖と比良山という大きな自然。そ
れらは見るだけの場所ではなく、アクティブに関わ
れる場所でもある。今、人々が求める旅は《土地の
何かに関わる》こと。自然環境に関して志賀町では
それができる。
高架になっているJR湖西線は東に琵琶湖、西に
比良山とその山麓に集落や美しい棚田を眺める鉄道
で、展望鉄路と言っていいような線路である。その
湖西線で志賀町の辺りを通るとき、いつも思う。こ
の町はなんて恵まれた地であろうか、と。山と水と
いう普遍的に人々の心を癒す自然が美しい形で残っ
ている。ずっと昔からここを知っている人は随分と
変わってしまった、とおっしゃる。けれど、それで
も人の心を癒す風景がある。人間の病気はお医者さ
まで治せるが、自然とか景観の病は誰も治せない。
一旦病むと二度と元には戻らないのが自然であり、
景観であるのだ。こういう時代だから懐かしい風景
は意志をもって残さねば、残らないものになった。
ここへ二百四十万もの人が来るのは〈変えない〉意
志を感じる部分がまだあるからかもしれない。
|

比良山上から琵琶湖を見る
|

志賀町に美しい棚田が残る
|
| |
|