財団法人 滋賀県建築住宅センター
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竜王町 ▲まちづくりインデックス

 
時代、時代の薫りを
残すことの意義
  雪野山から日野川を渡って西に行くと川守集落である。ここに八幡神社があるのだが、実はここはかっての川守城のあった所。室町時代の中頃、佐々木源氏の一族であった吉田氏が拠点とした城である。後、織田信長によって落城したが、吉田氏は代々、弓術の名人で、蒲生氏郷(うじさと)や羽柴秀長、豊臣秀次など、この吉田家に弓矢をまなんだのだといい、その精神は今なお現代の弓道に伝えているという。
 川守城跡の西方に苗村(なむら)神社がある。近郷三十三力村が氏子という大きなお宮だ。境内は二社に分かれているが、正面に見事な蟇股(かえるまた)を備えた国宝の西本殿をはじめとして、東本殿や楼門など社殿の多くが重文になっている。かつての長寸(なむら)神社にあたる東本殿を包む森の表情など、厳かで優しく、いかにも昔から人々を守ってきた森、という感じがする。
 そして、岡屋集落の祖父川の西には巨大なドラゴンハットが登場。屋根つきの多目的グラウンドだが、壁のない大きなドームを想像してもらえばよい。地面は真砂土で屋外のグラウンドと同じ。でも、屋外と違って、雨でも雪でも平気。これも平成の文化のひとつであろう。

茅葺きの堂々たる苗村神社の楼門
 竜王町にはもうひとつ、平成の文化が登場しつつある。新しい農空間の創造″がテーマのアグリパーク竜王である。竜王町の農業を、生産だけでなく、生産者と消費者がふれあう場にしていこうというもので、既に山之上集落の三田池畔に特産品の直売店や研修室もある農村環境改善センターなどがオープン。平成十年度のグランドオープンを目指して、着々と整備がすすめられている。
 土地の貌(かお)は、時代時代の文化を積み上げ、積み上げて、出来上がっていくものなのだ、ということを、この町でも教えてもらったような気がする。
 

問合わせ 竜王町観光協会 電話0748・58・1001

 

 以上、滋賀銀行発行
 「湖[みずうみ]1997年冬 No.120号」
 「街物語」著:旅行ペンクラブ西本梛枝さん より転載

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