| 町名にもなっている安養寺は名神高速道路のすぐ南の安養寺山の山裾に静かにあった。今は真言宗だが、元は聖武天皇の勅願で良弁が開基した天台宗の寺。大層な寺領をもち、足利義尚の陣所にもなった古刹だが、今は本堂と薬師堂と鐘楼堂だけの小ぢんまりした寺になっていた。けれど、それがいかにも隠れ古寺らしい面持ちだ。織田と佐々木との戦火を浴びた薬師如来の黒いお姿が、戦は無意味なことですよ、と語っているようだった。琵琶湖を形どった池に近江八景を象徴した石組の枯山水の庭園に弱く陽が射し、歴史の残り香がはんなりと漂ってきた。
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▲隠れ古寺のように静寂な安養寺境内。 |
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