| 栗東、といえば、競馬ファンならずとも、競走馬と頭に浮かぶのではなかろうか。それも全国に知られるサラブレッドの郷として。日本中央競馬会の栗東トレーニングセンター。ここも、広い。およそ150万平方メートル。とにかく広大な敷地で、トレーニング用の馬場だけでさえ呆気にとられてしまった。この土を舞い上げてカツラギエースのような名馬が生まれたのだ。呆気にとられたのは馬場だけではない。20頭入る厩舎が116棟。整然と並び、その周囲に騎手や調教師、厩務員…等々が住む一大団地があり、敷地内にはマーケットも保育所もあった。さらに昨年夏には、馬のためのスイミングプールもできて、なんともう、スケールの大きいことよ…と、ただ驚くばかり。激しい運動をする競走馬の鍛練、あるいはリハビリにと考え出されたもので、流れの速さを変えられる流水プールだった。とにかく、競馬にしても、馬術競技にしても勝敗の鍵は馬にある、といわれる。人馬一体となった長く厳しいトレーニングが、一瞬の栄光のために続けられているのだ。それを支えるために、こんなにも多くの人たちが日夜、働いている、ということに、私はいたく感動してしまった。センターに入るには厳しいチェックが為される。それは二千頭もの馬を預る重い責任があるからであって、一方では、一般の人に馬ともっともっと親しんでもらいたい、という希いのもと、乗馬苑も開設されていて、スポーツ少年団員や栗東高校の馬術部員たちが馬場運動に汗を流していた。
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| 気性の荒い馬もいるけど、概して馬というのは人なつっこい。練習が終わって曳馬する時など、おやつをねだってズボンのポケットに鼻をすり寄せてきたりするのだ。馬術競技用の馬以上に過酷な鍛練を要求される競走馬たち…碧いつぶらな瞳は必死にそれに耐えていた。やがてくる栄光の日のために。
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▲一般の人に馬と親しんでもらう乗馬苑。 |
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