財団法人 滋賀県建築住宅センター
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●栗東市 ▲まちづくりインデックス

  金勝山が無条件に自然の大らかさに浸れる所とすれば、自然の細部を見て、聞いて、感じて…自然と仲良しになれるのが「栗東自然観察の森」であろう。環境庁が全国十ヶ所を指定した中の一つで、横浜、姫路に次いで全国で三番目の昭和63年に開園した。名神高速道路の栗東インターチェンジのすぐ南、安養寺丘陵の一画を占める約14ヘクタールの森だ。自然観察の森なんて、きっと不便な地だろう、と思っていたらサに非ず。町のほぼ中心部にある。それだけではない。もっと驚いたのは、この森のために、三十数人の地権者が無償で土地を提供したという。誰の心の中にも、自然の大切さを伝えついでいきたい、という希いがあったのだろう。その希いに答えるように、毎月第三日曜日に行われている自然観察会はいつでも募集人員を上回る申し込みがあると聞いた。嬉しくなる話だった。
栗東自然観察の森の入口
▲栗東自然観察の森の入口。
  木立ちの中のレンガ色のネイチャーセンターからグルーッと自然観察路が続く。所々に三角柱の設問板が立っていて、森の中を楽しく歩くうちに“ものしり博士”になっていく仕掛けだ。設問は季節ごとにとりかえられるし、“ぼくらは森の探偵団”なる観察の手引書も季節によって変わる。遊びの中でも子どもは“理科”が好きになってしまいそうだし、大人は大人で、鳥の声が透明に響きわたる森の中、木洩れ陽を受けてそぞろ歩くだけでもイイ気分になる。四月ともなれば、ウグイスやメジロ、シジュウカラたちは一層賑やかに囀り、林の中では山葉がそこかしこで芽を出し、冬眠から目覚めた小さな生き物たちがチョロチョ口と森を走り回る。自然の営みに理屈はいらない。「どうしてだろう?」小さな疑問が、人間と自然の距離を縮めていってくれる。そして、やがて、人間も自然の生態系の一員であることに気づかせてくれる…。
ネイチャーセンター
▲木立ちの中のネイチャーセンター。(栗東自然観察の森)
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