| 風景にみる人のおもい |
矢川神社には江戸時代初期の石造の太鼓橋と室町時代
中期の美しい楼門が残っている。雨乞いの返礼として造
られたという楼門は、室町時代らしい上品な佇まい。そ
の門を入ると右手に与謝蕪村の句碑がある。
甲賀衆のしのびの賭や夜半の秋
この頃になると天下も泰平。敵の情報を集める必要の
なくなった忍者たちは医者になったり、薬売りになった
り…していたというが、蕪村の旬からも、忍者がとって
もヒマだったんだな、とわかる。もっとも、生命をかけ
る職業なんてヒマであることが一番よい。
門の立派さでは新宮神社の表門も然り。茅葺の八脚門、
寄棟造りの風格ある門が道の正面に見えていた、が、近
寄ると、なんと、道は門の横をグルッと迂回している。
車の通行に便利なように樹木や建物が、そこのけそこの
けとどかされているのが昨今の道路だが、道の方が迂回
しているなんて、いいなあ、という感じ。里の人たちの
おもいが感じられた。
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矢川神社の境内にある与謝蕪村の句碑
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住んでいる人たちのおもい…のようなものは、寺庄の
六角堂でも感じた。六角堂はお地蔵さんのいらっしゃる
地蔵堂だが、六角形の独特の形からこう呼ばれている。
写真を写していたら、通りがかりのおばあさんが、「
(このお堂は)心の拠り所になっていますよ。」と教え
て下さった。新宮神社表門のそばの道のことと、おばあ
さんの言葉に共通するものを感じたのだった。
甲南町には冷泉だが、滋賀県には珍しい温泉が三ケ所
もある。歴史もある。優しい風景もある。
変わらない風景というのは、なかなかいいものである。
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堂々たる四脚門の新宮神社表門の道が迂回している。
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問合わせ
甲南町産業経済課 TEL 0748・86・4161
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