財団法人 滋賀県建築住宅センター
まちづくりインデックス まちづくり情報へ

湖東町 ▲まちづくりインデックス

 

<造る> <創る> <つくる>

室町時代には既に鋳物師が住み、[たたら] を使 って梵鐘(ばんしょう)が作られていたという長集落のモニュメン トは寝かせた梵鐘であった (近江商人松居兄弟の寄 付でできた元西押立国民学校を改装した湖東町歴史民俗資料館で鋳造の様子や道具などが見られる)。 江戸時代には鐘だけでなく鍋や釜も作られていて《長村鍋》も当時のブランド品だったという。現在、 鐘づくりに携わるのは一社だけだが、長の鐘の名声 は今も高い。彦根城の時報鐘や木之本地蔵の鐘も長 の鐘である。
(造る)ということで言えば、今在家集落も同じで、 こちらは彫物師や宮大工、指物師たちの里。 緻密な仕事が伝えられている。湖東町には《平成 の杜》という安らぎ ゾーンがあり、その中に《ことうヘムス ロイド村》という村がある。鋳物造りや 木工などの伝統を下地にした新しい<ものづくり>空間と言える。


歴史民族資料館の内部
鐘づくりの「たたら」が見られる


「平成の杜]の中のことうヘムスロイド村
のどかな手工芸の村だ。


どっしりとした構えを見せる
近江商人郷土館

 

「ヘムスロイド」とはスウエーデン語で「手工芸」。宇曽川に近い赤松の林の中、芸術家たちがそれぞれのアトリエでガラスや 木、土、鉄…等々に生命を与えている。
 杜の周りは豊かな近江平野。毎年春に行われる村まつりでは、芸術家もそうでない人も一緒に「ナチ ュラルアート」を楽しむのである。
<創る>という考え方をすれば、近江商人の精神も 結局は<創る>ことであろうか。
《信用を創る。そのために己を創る。》 近江商人の哲学は[世のためになる]ということ。 そのために重ねる創意工夫。工芸家と商人では向かう対象は違うはずなのだが、帰するところは同じか な、という気がする。
 その近江商人の精神や生活に触れることのできる ところが近江商人郷土館。寛政年間、麻布の行商か ら大店を構えるに至った小林吟右衛門(ぎんよもん)の母屋といく つもの蔵を公開するものである。小林家は代々丁子屋吟右衛門を名乗り、丁吟(ちょうぎん)と称されていた。織物卸業や金融業で成功して、彦根藩から名字帯刀を許さ れていたほど。藩の御用達でもあったことから井伊家とは深いつながりがあり、桜田門外の変を知らせる火急の書状なども残されている。
 それにしても座敷蔵や川戸蔵など合理的な設計の 家屋、和漢の古典や謡曲、茶道の手習い本・・・。近江商人はもちろんだが日本人の精神生活の豊かさを感 じる場所である。

 

まちづくりインデックスへ 湖東町トップへ まえへ つぎへ
Copyright(C)2001 Shigaken Kenchiku Jutaku Center. All rights Reserved.