財団法人 滋賀県建築住宅センター
まちづくりインデックス まちづくり情報へ

湖東町 ▲まちづくりインデックス

 

ハナノキを守る心

南花沢の聖徳太子の像が手にする小枝は《ハナノ キ》の小枝である。  ハナノキは涼しい湿地に生えるカエデ科の落葉高 木。一般的には岐阜や長野、愛知が分布地となって いて、湖東町の北花沢と南花沢は自生の最西端である。しかも、推定樹齢千数百年。国の天然記念物である。  このハナノキには聖徳太子の伝説がある。今から 一三〇〇年余り前、百済寺を建立しての帰り、聖徳 太子はこの地で昼食をとり、その折、仏教の繁栄を 願って使っていた箸を地面にさされたとか。その箸 が成長してハナノキになり、里人はこの木を霊木と して崇め、大切に守ってきたのだという。南花沢の 聖徳太子像はそういう篤信(とくしん)の里の人たちのおもいか ら誕生した像なのである。


北花沢のハナノキ(天然記念物)
これで花が咲いている木である。


火産霊神とイザナミ神を祭神とする押立神社
(本殿と大門は重要文化財)


勝堂古墳。
横穴式の羨堂が見える。

 

 

 

二年前の早春、そのハナノキの花が咲いたから見にきませんか、というお誘いを戴いて北花沢に見に 行った。花を見るのは初めてである。木の名前に <花>がついているのだ。どんな大輪の花なのか…。 ところが、木のそばまで行って、「ウン? 花は?」  いわゆる<花>のように花びらのついた花はなく、 枝の先に蕾か新芽のようなかわいい濃い紅色の小さ なものがついている。これがなんと、ハナノキの <花>だった。霊木といういかめしい雰囲気ではな く、土地の人たちが大切に守ってこられた気持ちがわかるような愛らしさだった。  このハナノキの保護にしてもそうだが、集落を歩 いていると、やさしい信仰の生活があるのを感じる。 信仰といっても「宗教」というのではなく、「感謝 の気持ち」とでも言えばいいのか…。山の神、春日神社、押立神社、豊国神社、 善明寺…等々の古社寺、さ らには数多くの古墳群…。 どの場所でもしばらくホォ ーツとする時間をすごした。すごしたくなる場所だ った。清々しさに心が穏やかになっていくようだったのである。

 

まちづくりインデックスへ 湖東町トップへ まえへ つぎへ
Copyright(C)2001 Shigaken Kenchiku Jutaku Center. All rights Reserved.