大手門を出て京橋を渡る、美しい家並みがあらわれ
る。白壁、黒板、こげ茶色の格子戸…。紳士服の店、佃
煮屋さん。文房具の店、喫茶店…等々が、昔の城下町は
こんな風だったのかな、と想わせるように並んでいる。 |

城の表門口に向かう道の松並木。
47本あったのでいろは松と名づけられた。 |
町並づくりが進められているのだ。称して“夢京
橋”。今ある古き良き町並を残そうという町並み保存は
他でも行われているが、ここは過去の姿にとらわれるこ
となく、新しい時代にマッチした城下町を造ろうじゃな
いか、という町づくりである。それも地元の人たちが中
心になっての活動。先ず、狭い6メートルの造を18
メートルに拡幅。人が散策できる道ができ、そして現
在、9軒がしっとりした風情の家に変わっている。道の
拡幅、家の建てかえ……となると当然、一軒や二軒の反
対もあろう……と思ったのだが、「いえ、夢京橋づくり
の対象になる家は70軒ほどあるのですが、一軒の反対
もなかったんです。みんなで町を造っていこうと張り
切ってるンです。」と漬物と佃煮の店“宗知庵”の主
人、田部益男さんは顔を輝かす。町並づくりはたった一
軒の反対があっても上手くいかない。そういう例のある
町を私もいくつか知っている。だから70軒もの大世帯
で足並みが揃うなんて、それだけでも、この町の新鮮な
エネルギーを感じる。
彦根は“小江戸情緒の町”がキャッチフレーズ。彦
根城から夢京橋あたり、その呼び名はピッタリだ。平成
7年度完成を目指して、芹川(せりがわ)まで、この町
並みをのばす計画だという。楽しみである。城下には他
所にも江戸時代の名 残りの町筋が残っていて、ブラ
ブラと歩くほどに、迷路遊びのような楽しさがこみ上げ
てきた。 |

中山道宿場町、鳥居本には、今もこんな看板が残る。 |