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歌の背景や意味はここでは触れないが、万葉のロマンとして語られる歌であり、
《蒲生野》の名を有名にした歌である。
万葉集といえば、万葉集の代表的歌人の一人である山部赤人(やまべのあかひと)
ゆかりのお寺と神社が町内下麻生に並んであった。赤人寺(しゃくにんじ)と山部
神社。赤人はその生涯をここで閉じたという。寺のご本尊は赤人が安置したという
如意輪観音さん。と言っても史実的には少し曖昧。元々、赤人寺は中世には〈あこ
う堂〉と呼ばれていて、江戸時代になって赤人寺に名が変わり、隣の山部神社も明
治時代になって、赤人(あかひと)にちなんで、山部の名で呼ばれるようになった
だけだとか。
史実を検証すれば、事実はこのように暖昧ではあるが、山部赤人が土地の美しさ、
自然の素晴らしさを歌いあげた歌人であったことを思うと、この美しい蒲生町に赤
人ゆかりの社寺がある、というのは、蒲生野への先人の秘かなメッセージかもしれ
ない、とも思う。
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