財団法人 滋賀県建築住宅センター
まちづくりインデックス まちづくり情報へ

 
蒲生 ▲まちづくりインデックス

 
自然とともにある
暮らしの美しさ
 野口謙蔵記念館は蒲生町綺田(かばた)集落にある。
のびやかな水田地帯。北を見れば先述の「霜の朝」に
描かれた石塔山の優しい姿。すぐそばを佐久良川が流
れる。家々は田畑の一角で肩を寄せあうように並ぶ。
 見回してみる。その風景を−。謙蔵はこういう風景
が好きだったのだ。田畑や山や川や人々の暮らしや…
…。自然が自然のままに穏やかに在る風景が。
 ドラマの中で〈絵の中の少女〉である謙蔵の姪の
久子が、折角、東京の美術学校を卒業しながら、何
故ここに帰ってきたのか、とたずねる場面があった。
謙蔵はこう答えていた。「おじさんはこの土地が描
きとうて帰ってきたんや。ここに住んでいると、描
きたいことがコンコンと湧いてくるんや。」と。
 広々とのびやかな蒲生野に立ってみると、謙蔵の
おもいが解る。そして、そのおもいは、あるいは、こ
の蒲生野を故郷と思うドラマの作者の深尾道典氏自
身のおもいであり、蒲生野に暮らす人たちみなが感
じているおもいではないかしらん、とも思えてくる。
 ベートーベンが打ち続く不幸の中で、あんなに明
るくきれいな『田園交響曲』を作れたのは《自然》
のおかげだ、というようなことを、彼自らが言って
いる。自分の芸術はすべてそこから生まれた、と。
実は初めて謙蔵記念館で、野口家に仕え、謙蔵の世
話をされていた野口ち江さんに謙蔵の思い出話を聞
いた時、フと謙蔵とベートーベンにダブルものを感
じた。自然とともに在る、という生き方において。



野口謙蔵が好きだった蒲生野の風景
(横山公園から見る)
まちづくりインデックスへ 蒲生トップへ まえへ つぎへ
Copyright(C)2001 Shigaken Kenchiku Jutaku Center. All rights Reserved.