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蒲生町 ▲まちづくりインデックス

 
蒲生野から生まれた名作
先年、NHKラジオのFMシアターで、五個荘町
が生まれ故郷の、シナリオ作家で映画監督でもある
深尾道典(ふかおみちのり)氏のラジオドラマ 
『絵の中の少女』が放送されていた。
『絵の中の少女』とは、野口謙蔵の絵の中にしばし
ば登場する赤い着物の少女のことである。ドラマは
アサイという謙蔵の絵に魅かれた人物が、絵の中の
少女が誰なのかを探しあて、野口謙蔵や絵のこと、
赤い着物の少女のことなどの話を聞かせてもらう、
というもので、謙蔵ファンはもとより、画伯を知ら
なかった人にも興味をわかせたドラマだった。
 野口謙蔵は明治三十四(一九〇四)年、滋賀県桜
川村(現蒲生町)の造り酒屋の次男に生まれた画家
である。東京の美術学校を卒業と同時に故郷に帰っ
てきて、故郷の自然や人々を描き続けた。その才能
は早くから中央画壇でも認められて、将来を嘱望さ
れていたのだが、昭和十九年、四十三歳の若さで病
没。彼は死ぬまでこの地を離れることはなく、「梅
干」とか「霜の朝」など、たくさんの名作をこの蒲
生野から生みだした。
「霜の朝」は第十五回帝展で特選になった作品だが、
これにも赤い着物の少女が描かれている。石塔寺
(いしどうじ)のある石塔山の方から蒲生野(がも
うの)一面、霜がおり、その中を赤い着物の少女が
犬を追って走っている。彩度の低い色を使っている
のに、少女の着物のたった一点の赤色で全体は明る
い印象に仕上がった絵である。「野口謙蔵記念館」
に、複製だが「霜の朝」が飾られている(本物は国
立近代美術館にある)。

「野口謙蔵記念館」では絵を描く謙蔵
の姿が人形で再現されている。
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