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永源寺町 ▲まちづくりインデックス

 
木地師の歴史を展示する資料館
 キャンプの中心地になっている政所辺りは古くからの
茶どころでもあるが、ここの地名もまた歴史のニオイが
する。集落の佇まいもゆかしげだ。道の草刈りをしてい
たおじさんに、惟喬親王を祀る太皇器地租(おおきみき
じそ)神社のある君ケ畑への道をたずねると、「筒井峠
に親王さんの大きな像があるから、そちらへも行ってみ
るといい。」と教えてくださった。地図を見ると、君ケ
畑と反対の方向に筒井千軒跡″というポイントがある。
「そこやそこや…。昔は筒井千軒と言われるほど、その
辺には木地師がたくさんいたわけだ…。木がなくなって
しまうと、みんな他の地へ移っていったから、今は大し
て何も残ってはいないが…。」
 政所から箕川、蛭谷へ向かう。深閑とした道だ。積雪
の頃の難儀さが想われる。
 蛭谷には筒井神社と木地師資料館がある。
 筒井神社は惟喬親王を祭神とし、全国の木地師の氏子
を統轄していた。筒井公文所(くもんじょ)と称し、諸
国往来自由の手形や,山への立入り,伐採自由の許可証
等、すべてここで発行されたのである。その木札や古文
書などは、境内の木地師資料館で見ることができる。今
もこの集落には二人の木地師が健在だ。
 それにしても、関所も伐採もフリーパスとは大した特
権だ。やはり惟喬親王との問わりからであろう。

蛭谷集落にある木地師資料館

透明を静けさの中に眠る惟喬親王


筒井峠の筒井千軒跡に座る惟喬親王像
 筒井神社と力を二分したのが君ケ畑の太皇器地租神社
とその別当寺の金龍寺。やはり、惟喬親王ゆかりの場だ。
こちらは高松御所と称して、木地師の統轄をしていた。
寺の裏の小高い所に、親王の墓があり、君ケ畑の集落を
静かに見下ろしている。
 ここまで訪ねてくる人は、木地師ゆかりの人か、余程
の歴史好きの人か…。名古屋ナンバーのバイクの若者が
一人、集落入口にたてられた木地師の里の説明を読んで
いたが、「幻みたいな所ですね。」といって、走り去っ
ていった。この里を幻みたい″と表現するとはなかな
かの感性。それほど、透明な静けさの漂う所だった。



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