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愛知川町 ▲まちづくりインデックス

 

手作業の味わい…ある町

土壁、煙突、大屋根が美しい酒蔵(長野)
 愛知川の酒蔵は街道より西の長野集落にあるが、
酒蔵の大屋根や土壁が美しい里の景観をつくつてい
る。
 愛知川は字(あざ)ごとの自治会活動が盛んで、特
に長野西集落ではクラブや同好会がいくつもあると
いう。鬼が打ち鳴らす長野中村太鼓や村芝居などの
芸能も育ってきた。一五〇年ほども前から伝わるび
ん細工手まりもある。
 びん細工手まり。びんの中に手まりを作っていく
のである。元々、御殿女中たちが作っていたという
手まりが愛知川に伝えられている、というのも、街
道の町だったからかもしれない。美しい手まりを見
た里の女たちが織り糸の残りなどを使って、娘や孫
のためにマネて作ったのがはじめではなかろうか。
 伝統の技術といえば太鼓づくりもその一つである。
近江には大太鼓が多く、この辺りはその産地でもあ
った。太鼓づくりの家は今は二軒しかないが、仕事は
この寒い時期に行われる。脂肪の厚い傷のない雌牛
の皮を、伸びの少ない冬にはっていく。皮のはり替
えだけでも十三工程もあるという根気のいる仕事だ。
 伝統の近江上布もそうなのだが、手作業の味わい、
というのはそこはかとない郷愁を伴うもののような
気がする。

美しい姿の豊満神社、四脚門
 この近江上布の伝統産業会館の東南方には神功皇
后の軍旗を祭神とする美しい豊満(とよみつ)神社が
ある。軍旗が神さま、つまり、戦の守り神なのだが、
この神社の佇まいには猛々しさよりも、神功皇后…
の母性の方を感じてしまう。それは神社を包む林や
近くの豊満せせらぎの道や商店街(旧中山道)の公
園(ポケットパーク)などで感じた安閑の空間のせ
いかもしれないし、あるいは街道に生まれた文化が
今も伝えられているという安堵感のせいかももれない。
 子たちが故郷大好き、と言っているのも、この安
心感が根拠ではないだろうか。
 とすれば、中山道愛知川宿はこれからもずっと、
子たちがいっぱい「愛を知る」ことのできる場所で
ありますように、と思う。
問合わせ

 江州細見・近江之中山道・道中案内図』の問合わせ先 まんなかの会 電話 0748・33・1345
 愛知川町産業耕地課 電話 0749・42・4111
 

以上、滋賀銀行発行
 「湖[みずうみ]1996年冬 No.116号」
 「街物語」著:旅行ペンクラブ西本梛枝さん より転載
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