財団法人 滋賀県建築住宅センター
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愛知川町 ▲まちづくりインデックス

 
伝えられている街道文化

 不飲橋を渡るとすぐ、明治天皇巡幸の時に休憩所
になった旅篭屋(はたご)がある。御主人の話では
「ただの旅篭だった私どもがお休み所に選ばれたの
はどうしてだったのか…。とにかくもう大変だった
ようです。」
「当時の主人の三代目は天皇にご挨拶した後、緊張
のあまり卒倒したそうで…」。玉座のある部屋で説明
して下さった。外に目を移すと、緑濃いしっとりし
た庭園がひろがっている。
 天皇は往きだけでなく、予定していなかった帰り
にも休憩されたといい、てんやわんやの数日間だっ
たようだ。実は湖国の名物が鯉のあめ煮。このあめ
煮が気にいったのかな、と、気楽な現代の旅人は気
楽な推理をしたのだが、御主人の話では、東海道亀
山付近で流行病発生のため、急きょ、再び中山道を
通るということになっただけとか。それにあめ煮の
歴史は八十年ぐらいかな、とのこと。気楽な想像は
外れたが、それにしても、一口に八十年ぐらいのも
のです、とおっしゃる言葉の中に、街道文化の厚さ
を感じる。

明治天皇の御休所とされたことを示す碑


旅篭屋の玉座には明治天皇の絵が置かれている。

宿駅の文化が育てた名物いが餅
  街道文化と言えば、愛知川には和菓子屋が多い。それを案内本はこう説明してくれている。ーー 宿場町で人の往来も多く、従って茶店も多かっただろう。
だから餅屋(和菓子屋)が多いのでは…と。特に名物は、いが餅と呼ばれる餅で、赤・緑・白の米粒を餅の上にのせてあるもの。さっぱりした味のこしあんが
入っていてまさに餅。が、ちっとももたれない。宿駅の文化が育てた餅、といってもいいかもしれない。
 甘党向きあらば辛党向きもあるのが、人々の行き交う街道の町。近江米と愛知川の伏流水はこの町においしいお酒も生み出している。


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