財団法人 滋賀県建築住宅センター
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白砂青松――
マイアミ浜の自由人たち
  豊かな時間は、碧い琵琶湖や湖岸にも流れている。
  野洲川の河口の東一帯は約四キロにわたって美しい白砂青松の浜が続く。アヤメ浜とかマイアミ浜とか呼ばれている所である。琵琶湖の湖岸線約二三五キロ。その表情は場所によって様々だが、ここのように白砂青松を残す浜は数えるほどになってしまった。それだけに、琵琶湖にとっても貴重な浜である。ここが琵琶湖リゾートネックレス構想の重点地域の一つに指定されたのも肯ける。
紫式部の歌碑
▲アヤメ浜にある紫式部の歌碑
― 対岸の沖島を詠んでいる。
  この指定を受けてできたのが、マイアミ浜オートキャンプ場だ。キャンバーたちが松林の中でおもいおもいの時をすごしている。
  キャンプは夏、という考えばもう古いのだそうだ。冬、みぞれ降る日にも数台の車が入り、何人かのキャンパーたちがいた。
「こんな日にキャンプなんて。何するんですか?」とたずねたら
「みぞれも雪も、それなりに嬉しいものです」という答が返ってきた。
  発想が自由なほど、時間は豊かなのである。三十代後半…ぐらいの年恰好の彼ら。自由人たちは世界もひろい。
  ちなみに「マイアミ浜」の名は、国際交流が意識されるようになった近年についたものではないという。「小さい時にはもう、マイアミ浜て、言うてましたで」と、先述の上げヒバリを教えてくれたおじさん。このおじさん、五十歳ぐらいだった。ということは、戦後すぐもう、マイアミ浜といっていたわけである。何故、マイアミ…なのかはわからないとのことだったが、私はひそかに勝手な推理をしている。大津に進駐軍がいた時に、泳ぎにきたアメリカ人がマイアミを偲んで、こう呼んだのではないか、と。
  もしそうなら、このマイアミ浜は空間も時間もとびこえられる場といえる。
  夢がひろがっていく。
マイアミ浜オートキャンプ場
▲年中楽しめるマイアミ浜オートキャンプ場
問い合わせ  中主町企画室  077−589−2511
以上、滋賀銀行発行
「湖[みずうみ]1996年春 No.117号」
「街物語」著:旅行ペンクラブ西本梛枝さん より転載
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